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ここでは、ロレックスの針や文字盤を保護する透明な部品、風防のガラス割れについて紹介します。風防が割れてしまう原因やその対策法、解決事例もまとめているので、ぜひチェックしてください。
ロレックスの現行モデルにはサファイアクリスタルと呼ばれる強度の高いガラスが使われています。しかし、強度があってもガラス素材のため割れてしまうことも。風防ガラスが割れてしまう主な原因は、時計を高いところから落としてしまうことや、ガラスに固い物質が強く当たったときです。また、時計に強い圧力などの負荷がかかってしまった場合にガラスが砕けることも。風防ガラスにはサファイアガラス以外にもいくつかのガラスが使われています。
ガラスによって硬度や処理が異なるため、傷がつきにくい特徴を持っているものもありますが、あくまでもガラス。衝撃や圧力によって割れてしまうため、時計を扱う時には落としたり、ぶつけたりしないようにしましょう。
風防ガラスは時計の針や文字盤を外部の衝撃から守ってくれる重要なパーツです。衝撃だけではなく水分やホコリといったものからも、内部のパーツを保護する役割を持っています。
ロレックスの製品は丈夫なため「小さなヒビや少し欠けたくらい、問題は起きないだろう」と考えている方が少なくありません。しかし、その小さな隙間から水分やゴミが入ってしまうと、ガラスの曇りや文字盤の変色などが起こり、さらに見栄えが悪くなることも。またヒビが入った状態を放置しておくと、最悪の場合、内部のパーツが水分によって錆びてしまい時計が動かなくなってしまいます。
また外からの影響だけではなく、割れたガラスの破片が時計内部に侵入し、時計の針を止めたり文字盤に傷をつけたりすることも。少しの傷だからと油断をせずに、ガラス割れを起こした場合にはすぐに適切な対処をしましょう。
時計の風防ガラスが割れてしまった場合は、ガラスの修復が難しいので交換対応が一般的です。また時計の修理は自力で行うのが困難なので、割れてしまった場合は時計修理店へ修理を依頼するほうが望ましいと言えます。風防ガラスのキズやヒビをそのまま放置してしまうと、様々な故障の元になりかねません。自身の時計を長く愛用するためにも、ガラス割れしてしまったらなるべく早く修理依頼をすることをおすすめします。
ロレックスエクスプローラー(Ref.16570)のガラス交換とオーバーホールの修理事例です。今回の修理を行うロレックスはガラス自体が無くなっている状態でしたので、交換というよりも新規装着に近い修理内容となっていました。この時計は風防ガラスがない状態にも関わらず、針や文字盤にはほとんどダメージなしというレアなケースです。しかし、文字盤をはがしてみると細かなガラスの破片が時計内部に入り込んでいる為、オーバーホールが必要となります。そのため一度パーツをすべて分解し、パーツ一つひとつに異常がないかを細かくチェック。異常がないことを確認し、洗浄してパーツを組み立てていきます。その後、新しい風防ガラスをはめ込み修理完了です。
ロレックスデイトナ(型番:116519)の修理事例です。風防ガラスに使用されていたサファイアガラスが破損してしまい、その影響でクロノグラフや時計も動かない状態でした。ガラスの破片が機械内部まで入り込んでいたため、分解して破片を取り除き、内部に傷がついていないか異常が起きていないかを確認。今回はガラスの交換とあわせてオーバーホールを行ったようです。
はじめは裏蓋を開けて、文字盤についている油汚れやほこりを専用の粘土を使い取り除きます。つぎに分針や秒針などの針を丁寧に取り外し。一通り文字盤の分解が終わった後は、機械部分を分解します。機械部分まで分解が完了すると、専用の容器を使ってパーツを洗浄。洗浄が完了すると組み立て作業に入ります。組み立て時も分解する時と同じように、パーツに不具合がないかを確認しつつパーツを組み立て、正常に時計が動作するように細かな調整を実施。組み立てが完了した後、最後の仕上げがガラスの交換です。破損したガラスを取り外して純正のサファイアガラスを用意。機械で圧をかけながらサファイアガラスを時計にはめ込み修理完了です。
ロレックスエアキング(Ref.14000M)のガラス交換とオーバーホールの修理事例です。外部からの衝撃によって風防ガラスが割れてしまっていました。この時計に使われていたのはサファイアガラス。硬度があるので傷はつきにくいのですが、衝撃に弱くひびが入ってしまうと簡単に砕けてしまうことがあります。
現状の割れた状態で内部の機械部分を抜き出すと、ガラスの破片により文字盤が傷つく恐れがありました。そのため一度表面から、ガラスの破片を取り除いた後に機械部分を抜き出します。抜き出して見て分かったのが、ガラスが割れた衝撃により秒針が曲がっていたということ。そのため、秒針のゆがみを無くし、まっすぐな秒針へと修復。機械内部には針の根元からガラスの破片が侵入していたため、機械を分解して破片を取り除きます。分解した機械部分を組み立てる前にすべてのパーツを洗浄。最後に新しい風防ガラスを時計にはめ込み、ガラス交換とオーバーホールの完了です。
ロレックスGMTマスターⅡ(Ref.16760)の修理とオーバーホールの修理事例。自身でベゼルディスクの交換を行おうと圧入した時に、力の入れ具合を誤ってしまいガラスを割ってしまったようです。幸いにも文字盤や針にはダメージはありませんでしたが、裏蓋は少しゆがんでしまっていたのでこちらも修理の対象。外装には元と同じオリジナルのベゼルディスクを交換し、風防ガラスには純正のサファイアガラスを使用して修理。裏蓋のゆがみも修正します。時計の機械部分は一度すべて分解して洗浄。組み立ての際には分解する時と同じように、細心の注意を払ってパーツに異常がないかを確認しつつ組み立ていきます。特にGMTに使用されている針は針先が大きく、12時ちょうどに日付が切り替わるようにするには相当な技術が必要となるようです。異常がないことを確認しつつ組み立てが完了したところで、オーバーホールとガラス交換の修理が完了となります。
ボーイズサイズのロレックスオイスターパーペチュアル(Ref.67480)のガラス交換とオーバーホールの修理事例です。割れたガラスの破片の一部が秒針と文字盤の間に挟まってしまい、針を止めている状態でした。また、プレスを外すとラグとラグの間やフラッシュフィットにかなりの汚れが目立ち、ゼンマイから入る香箱からも汚れて潤滑油がにじみ出してしまっていたので、修理だけではなく洗浄が必要です。
まず、秒針と文字盤に挟まっているガラスの破片は、文字盤に傷をつけないよう慎重に取り除きます。針の付け根の穴からガラスの破片が機械内部にまで入り込んでいたようなので、すべてのパーツを分解してガラスの破片を除去。分解したパーツを一度洗浄し、キレイな状態にします。組み立て時に時計のフレーム部分のキズ取り研磨を行い、新品同様の輝きを取り戻しました。そして、すべてのパーツの組み立てとガラス交換を行い修理は完了です。
ロレックス デイトジャスト(Ref.69173)の修理・オーバーホールの事例です。サファイアガラスを使った風防ガラスが割れてしまい、サファイアの破片が針に圧迫して、変形させてしまった状態になっていました。針が変形してしまったので、ガラスの交換だけでなく修復というかたちで修理を対応。さらに割れてしまったガラスの破片は、文字盤の下にあるカレンダーディスクにまで細かな破片が入り込んでいました。内部の破片をすべて取り出すために、機械をすべて分解して洗浄します。そして、ガラスで変形してしまった針も合わせて修復。肉眼で確認しても分からないほどキレイになりました。外装は修理店の無料キズ取り研磨で、新品と見間違うほどキレイな仕上がりに。修復したパーツにゆがみやサビといった不具合が無いかをチェックしながら、丁寧に組み立てられます。最後に純正のサファイアガラスをはめ込んで、オーバーホールとガラス交換の修理が完了です。
ロレックスのサブマリーナ(Ref.16610)のガラス交換・オーバーホールの修理事例です。サファイアガラスの風防が無残にも割れており、時間を確認することも難しいほどに亀裂も入っている状態。また、割れてしまったガラスの破片が分針を止めてしまっており、時を刻むことができなくなっていました。針と文字盤に挟まっている破片は、慎重に取り除かなければ、文字盤に傷をつけてしまうため慎重に除去します。また分針を止めていたガラスの破片だけでなく、より細かな破片はブロワーを使って空気で吹き飛ばしたり、粘着ゴムを使ったりして丁寧に取り除いていきます。取り除いた後は、時計をすべて分解してパーツごとに細かく洗浄。また、秒針が割れたガラスに押されてしまい形が上方向に反っていたので、パーツを分解後に変形した秒針をまっすぐに修正。洗浄と修正が完了したところで、パーツを一つひとつ丁寧に組み立てます。最後にサファイアガラスの風防を取り付けて修理の完了です。
ロレックスデイトジャスト(Ref.116200)のガラス交換とオーバーホールの修理事例です。時計の針を確認することはできますが、風防ガラスが派手に割れてしまっている状態。また、ガラスを割った時の衝撃で、文字盤のインデックスがひとつ欠けてしまっています。インデックスは無くなったわけではなく、部品が時計内にありましたので再設置で対応。
文字盤を外すと細かく砕けたガラスの破片が内部に入っている状態でした。この状態で時計を動かすとカレンダーディスクに傷がついてしまうため、ブロワーや接着ゴムを使って丁寧に除去。またゼンマイが入る香箱にまで破片が入っていたため、パーツをすべて分解して細かな破片を取り除いていきます。ガラスを割った衝撃により内部のパーツの一部にずれが発生していたため、ズレてしまったパーツを一つずつ調整。外装は研磨をかけて傷を無くして、キレイに洗浄します。組み立てが完了したのち、サファイア風防を時計にはめ込み、修理が完了です。
ロレックスGMT(Ref.16700)のガラス交換やオーバーホール、パッキン交換等を行った修理の事例です。
時計を地面に落としてしまった際に、サファイアガラスの風防が割れてしまったこの時計。落とした時の衝撃により秒針が外れ、時計内部にもガラスの破片が入り込んでいました。風防ガラスの交換だけでなく、オーバーホールも必須の状態です。秒針の軸がゆるゆるになっていたのですが、交換すると費用が高くなることを加味し加工して対応。外装部分には落とした時に傷が入っていたので、外装磨き仕上げを行いキズの修復をしてキレイな状態に戻しています。また、ゴムパッキンやバネ棒のパーツに関しても摩耗が激しかったので交換対応。すべてのパーツの分解から洗浄、組み立てまでが終わった段階で、サファイア風防をはめ込み修理が完了です。修理に持ってきた時には全く動かなかった時計ですが、問題なく動くようになり精度も正確になっています。
ロレックスオイスターパーペチュアル(Ref.76080)のオーバーホール・ガラス交換の修理事例です。
時計が修理に出されたときには風防ガラスがかなり破損した状態。細かく砕けた破片が内部に入り込んでしまっている恐れがあるので、ガラス交換だけでなく、オーバーホールも施しています。しかし、ガラスを割ってしまった時の衝撃のせいか、破片を取り除いた後も文字盤には傷が残った状態となってしまいました。黒文字盤なので、目視でも分かるレベルで残ってしまっています。オーバーホールですべての部品をバラバラにして洗浄した後は、新しいガラス風防を交換して修理が完了。黒文字盤に関してはメーカーに修理依頼すれば修復可能なようですが、かなり高額な値段になってしまうようです。
ガラス割れを素人が修理するのは難しいため、正規店や時計の修理専門店へ依頼することになるでしょう。しかし、実際依頼してみると高額な費用がかかったり、適当な修理をされる可能性もあります。そうならないよう無料で見積りを取ってみることをおすすめします。当サイトでは、無料で郵送見積もりに対応してくれる業者を集めてみたので、是非参考にしてみてください。
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安さと信頼を両立。 ロレックス修理専門店を比較 【オーバーホール編】
症状で分かる!ロレックス故障の原因公式サイトに掲載されている費用目安をもとに、東京でより安いロレックスのオーバーホールが期待できる専門店を、主なモデル別にピックアップして比較しました。また、掲載各社は郵送依頼にも対応しています。※原則、純正部品を使用する店舗をピックアップしています。※税込・税抜については、各社にお問合せください。
オーバーホール 費用 |
専門店名 | |
---|---|---|
18,700円~ |
東京都台東区上野 5-25-1 イトウビル1F
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19,800円~ |
東京都中野区中野2-11-5 吉田ビル2階
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22,000円~ ※公式HPに税表記はありませんでした |
東京都墨田区緑4-11-3 デ・リード錦糸町501
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※東京にあるロレックスオーバーホール店で検索上位表示されるうち、公式サイトでオーバーホール費用および、純正部品を使用することを明らかにしている会社を厳選。モデルによって費用は変わりますので、詳しくは各店舗にお問合せください。(2021年3月22日時点)※税込・税抜については、各社にお問合せください。