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世界を旅する旅行者やパイロット向けに作られたモデルのスカイドゥエラー。2012年に発売がスタートしたモデルですので、それほど年数が経っているわけではありません。しかし市場価格が上昇し、プレミア価格が付いているモデルです。そんなスカイドゥエラーの魅力をご紹介します。
スカイドゥエラーとは、「空中の居住者」という意味です。旅行者やパイロットのニーズに応えるモデルとして登場した腕時計です。実用性が高く、それでいてドレスにもスポーツにも合うデザインが魅力です。
スカイドゥエラーには、第2タイムゾーンが搭載されています。これは、2つの国の時間を同時に見られる機能のことです。スカイドゥエラーの場合には、長針と短針は、旅行先での時間を表示し、真ん中で回転しているディスクは、自宅の時間を表示しています。ベゼルに別の針が時間を指すような機能ではなく、ディスクが回転することで表示されるのが特徴です。
またマニュアルカレンダーが搭載されており、1年の中で30日の月と31日がある月の切り替えを自動で行ってくれます。この機能は、1996年にパティックフィリップによって特許が取得されているものです。ただし、基本的に自動のため毎月日付の調整をすることはありませんが、1年に一度3月1日に日付調整は忘れずに行いましょう。
ケースの形状やベゼルから、スポーツモデルとドレスモデルの中間的立ち位置なのも特徴です。ロレックスの正規店では、プロフェッショナルモデルの位置に並んでいるのですが、これはフルーテッドベゼルで回転もします。
ロレックスのカタログで人気のスカイドゥエラー 326934は、ドレスモデルに分類されています。機能としてはスポーツモデルの物が搭載されているため、デザインはドレスモデルとスポーツモデルの中間の位置付けになります。
スカイドゥエラーの特徴となる点も、詳しく見ていきましょう。他のモデルにはない魅力があります。
第2タイムゾーンの表示などの調整は、すべてベゼルを使って調整できるのが特徴です。操作性も非常にシンプルで、誰でも調整しやすいスムーズさがあります。
ベゼルには、3つのポイントが設けられており、そのポイントに回して位置させることで、調整が可能です。1つ目のポイントに設置すると、リューズでカレンダー操作が可能になり、2つ目のポイントにすると、長針と短針の操作が可能です。第3のポイントに配置しておくと、ホームタイムの調整が可能です。このように、3つのポイントによって、リューズで調整する内容を変化させることができます。複数のボタンを押すのではなく、ベゼルの調整で直感的に行えるのがスカイドゥエラーの特徴です。
スカイドゥエラーが搭載しているのは、Cal.9001というムーブメントです。すでに機能として紹介したマニュアルカレンダーが初めて搭載されたムーブメントとなります。これまでのGMT機能では別の針が第2タイムゾーンを指しているので、視認性の面で劣りました。
しかしスカイドゥエラーの場合は、中央の24時間ディスクがホーム時間を表示しているので、一目で第2タイムゾーンが分かります。文字盤の中央に、24時間ディスクが回転しており、1時間ごとに現時点を表示させています。
第2タイムゾーンは、ロレックスの表示の下の矢印が指している時間です。針を増やしているわけではありませんので、視認性を損なわず、パッと一目で見たときに、現在の時刻と第2タイムゾーンの両方を読みとることができます。
月の表示も非常にシンプルです。インデックス外周にある窓枠があるのですが、該当する月になると小窓が赤くなります。例えば、5月であれば5時の小窓が赤くなるという具合です。複雑な機構ではなく、小窓が赤くなるというシンプルなデザインなのも、スカイドゥエラーの特徴です。
ムーブメントが優れており、第2タイムゾーンも見やすいことの他にも、ムーブメントの耐久性の高さも特徴です。Cal.9001はパワーリザーブの時間が長いことでも知られています。パーペチュアルローターが搭載されているので、約72時間のパワーリザーブがあります。
パワーリザーブが72時間もあれば、週末に着用しなかったとしても、月曜日もまだ動き続けているほどの時間です。またヒゲゼンマイには、耐磁性に強い、ブルー・パラクロム・ヘアスプリングが搭載されており、これまでの10倍の耐久性があります。
スカイドゥエラーの系譜を見ていきましょう。
2012年から発売されたモデルで、Cal.9001がムーブメントとして搭載されています。ケースが18Kのホワイトゴールドケースでブレスを採用。ロレックスの特許技術が14件も組み込まれたモデルです。
2012年から発売されており、エバーローズゴールドにタコバレザーをブレスに採用。ケースは、ロレックスのエバーローズゴールドが採用されており、ブラウンの文字盤とアリゲーターのレザーベルトがマッチしています。スカイドゥエラーが発売された当時は、唯一のレザーベルト採用モデルでした。
2012年から製造されています。18Kのイエローゴールドケースにブレスがあります。イエローゴールドケースの中に、白の24時間ディスクがあるのが特徴的です。また、ロレックスの文字の下にある、赤の逆三角形もアクセントになっています。ラグジュアリーさとスポーティさのバランスがあるデザインです。
2014年から発売がされたモデルです。18Kホワイトゴールドのケースに、ブラックのアリゲーターレーザーが組み合わされています。
2014年から製造されており、エバーローズゴールドのケースにブレスが採用されています。無垢のオイスターブレス仕様はそれほどなく、希少価値も高いモデルです。定価の時点で価格が高いこともあり、市場に出回る量も多くはありません。
18Kのホワイトゴールドとブラウンアリゲーターレザーの組み合わせたモデルです。サファイアクリスタルが採用されており、2重反射防止仕様になっています。
スカイドゥエラーの需要は増しており、中古市場での相場も高くなってきています。特にスポーツロレックスの人気が増していることから、正規店にて定価で購入するのも難しいモデルがあるほどです。
スカイドゥエラーの場合には、リリース直後に高値をキープしましたが、リリース直後だけだと予想されていました。しかし、2020年時点での相場でも、定価をさらに上回っています。
また、元々は、ハイエンドラインとして登場したことから、金無垢モデルのみが販売されていましたが、ステンレススチールが組み合わされたモデルが登場し、さらに人気が集まりました。その結果、金額的に身近になったモデルですが、ホワイトゴールドとステンレススチールのモデルの相場が向上することになります。さらに詳しく人気モデルの相場の例をご紹介します。
2017年に発売された新型のスカイドゥエラーです。コンビのスカイドゥエラーが発売されたことから、注目が高まりました。定価180万円ですが、市場では安くても209万円と定価を上回っています。文字盤のカラーバリエーションは、黒と白、シャンパンがあり、特にシャンパンが人気があります。2020年4月現在の相場を見ていくと、2020年1月から3月にかけて上昇傾向がありました。平均価格でも219万円ですので、定価よりも40万円ほど高くなっています。
ステンレススチールとイエローゴールドのコンビモデルは、これからさらに人気が上昇する可能性を秘めています。他のモデルの、コンビや金無垢のモデルの相場が上昇していることを踏まえると、今後スカイドゥエラーの認知度が増していくと、さらに価格高騰することも予想できるでしょう。これからの価格推移が期待できるモデルです。
人気の326934のホワイトの文字盤のモデルです。ブルーの文字盤モデルほど、値上がりはしていないことが特徴です。ステンレススチールとホワイトゴールドのコンビになります。
ブルーの文字盤ほどではなくても、2020年4月時点では平均価格が226万円、市場では安くても219万円となっているので、やはり高値をキープしていることが分かります。
ステンレススチールとホワイトゴールドで、ブルーの文字盤の326934は、ステンレススチールモデルが登場したことから、一気に人気と相場が上昇します。
2020年4月時点では安くても259万円ほどで、平均価格でも268万円をキープしています。定価を大きく上回っている価格帯です。中古であれば、200万円ほどで購入できますが、それでも定価よりも高い価格です。
スポーツロレックスの人気が向上してから、スカイドゥエラーの価格も上昇し、その中でも青の文字盤のモデルは人気・相場ともに高くなっています。
どの時計も丁寧に保管することは大切ですが、ロレックスの機械時計の場合に、より注意したいポイントをまとめています。
ロレックスという高級時計をきれいに保ちたいが故に、保管して長期間放置したい方もいるでしょう。しかし、使用していなくても、機構が長持ちするというわけではないので、注意が必要です。
ロレックスは基本的に毎日使うことが前提に製造されています。特に、何もせずに放置してしまうと、機械油が凝固する危険性もあります。もし機械油が凝固してしまうと、リューズやパーツの操作不良が発生したり、パワーリザーブの短縮につながるのです。
そのため、日常的に着用せずとも定期的にゼンマイを巻き、駆動させて潤滑油を循環させるように心がけることが大切です。もし長期間装着しないことが分かっているのであれば、ワインディングマシンで保管しておくのも良いでしょう。定期的にゼンマイを巻くことができるので、安心して保管できます。
しかし、良い保管方法は実際に使うことです。日常的に身につけているからこそ、時計の不具合を早期発見することにもつながるでしょう。
高温多湿になる場所は避けて保管しましょう。水分があると、金属を痛めることにつながり、ダイヤルが割れる可能性が上がります。
また、多湿なところを避けようとして、タンスの中に入れるのも要注意です。防虫剤に含まれている樟脳(しょうのう)という成分が、ダイヤルを変色させてしまう危険性があるからです。もしタンスの中で保管するのであれば、防虫剤は入れないようにしておきます。
湿気がある場所でなくても、飲み物がかかる危険性があるところも避けましょう。コーヒーやお茶が染み込んでしまうと、中の部品の金属を腐食させる危険性があります。防水があるので、大丈夫かもしれませんが、ブレス部分のサビ浮きの原因になることもあるでしょう。保管時にフタができるタイプのワインディングマシンなら、こうした問題を避けられます。
機械式時計で、丈夫なロレックスの時計ですが、磁気には弱いです。強い磁気が発生している場所に置いてしまうと、中のモーターに悪影響を与えることも。強い磁気を発生させるのは、電子レンジやパソコン、テレビなどの家電製品です。基本的には、5~10センチほど距離があるなら、問題はないとされていますが、それでも電子レンジの上にうっかり置いてしまわないように注意しましょう。
最後におすすめしたいのは、定期的にオーバーホールです。機械式の時計の場合に、定期的に時計内部の機構をメンテナンスするのは重要になります。
推奨されているのは、3年から5年に1回はオーバーホールを受けることです。油切れを起こして、動作不良になったり、内部の部品が損傷しないためにも、定期的にオーバーホールをして、良い状態を保つことがおすすめです。
また、使用している期間が短く、保存時間の方が長かったとしても、オーバーホールは欠かせないメンテナンスになります。オーバーホールを受けた時期をメモしておき、次回のメンテナンス時期が分かるようにしておきましょう。
スカイドゥエラーはハイエンドラインとして登場しましたが、ステンレススチールとのコンビモデルの人気も高くなりました。スポーティでありながらも、ドレスにも似合う時計として、スカイドゥエラーの認知度が高くなっています。相場も定価よりも上回っており、これからさらに高騰することも予想されるモデルですので、価値を維持し続けるためにも定期的にオーバーホールして良い状態をキープすることが欠かせません。
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オーバーホール 費用 |
専門店名 | |
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18,700円~ |
東京都台東区上野 5-25-1 イトウビル1F
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19,800円~ |
東京都中野区中野2-11-5 吉田ビル2階
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22,000円~ ※公式HPに税表記はありませんでした |
東京都墨田区緑4-11-3 デ・リード錦糸町501
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※東京にあるロレックスオーバーホール店で検索上位表示されるうち、公式サイトでオーバーホール費用および、純正部品を使用することを明らかにしている会社を厳選。モデルによって費用は変わりますので、詳しくは各店舗にお問合せください。(2021年3月22日時点)※税込・税抜については、各社にお問合せください。