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ロレックスの番外編的な立ち位置として、他のラインナップとは一味違うデザイン・性能を持つと言われるチェリーニ。歴史が古いモデルですが、一般的な知名度は低く、知る人ぞ知る時計だからこそ愛好者に人気のある時計です。ここでは、そんなチェリーニの特徴や歴史をご紹介します。
チェリーニを語るうえで欠かせないのが「ロレックスらしくない」特徴です。ロレックスの人気モデルであるエクスプローラ・デイトナ・サブマリーナ・デイトジャストなどは、OYETER(防水性)やPERPETUAL(自動巻)が文字盤に印字されており、ロレックスの特徴である2つの機能を有することを示しています。
一方チェリーニの場合、多くのロレックスに印字される防水の証が印字されていません。それは実用機能の登場前にチェリーニが登場したからだと考えられています。それ以降この伝統を守っており、現行モデルに至るまで他のモデルにあるような防水機能は搭載していません。これもロレックスの番外編とも呼べる時計である一因です。また初代チェリーニには、非防水の自動巻きが搭載されています。
探検やダイビングなど過酷な状況でも優れた性能を発揮するロレックスシリーズが多い中で、チェリーニはドレスウォッチとしての存在感を持っています。
例えば、モーメントがシースルーなので、時計を裏返すと時間を正確に刻んでいることが見て取れます。防水性能が生活レベルにとどまっているのは、エレガンスなデザインにするためというのも理由のひとつです。
円形でクラシックな39mm径のケースですが、他のモデルのような力強さはないケースも、ドレスウォッチとしての魅力を放っています。
チェリーニは他のモデルと同様に機械式自動巻ムーブメントが搭載されています。ムーンフェイズの場合には、特許を取得したムーンフェイズモジュールが搭載されており、正確性を122年間保てるというのだから驚きです。
多くのロレックスは自動巻きが採用されています。しかし従来のモデルには、自動巻きのムーブメントの他にもクォーツが搭載されているモデルも。他の人とは被りたくないロレックスを使いたい方にとって、機械式自動巻ムーブメントが搭載されているチェリーニは独自の色が強く、魅力的なモデルだと言えます。
チェリーニの歴史は古く、1928年に登場しました。オイスターケースの防水や自動巻き機能が登場していない時から発売され、今に至るまで長く愛されています。2014年から発売されている現行モデルでは、生活防水レベルの防水性を備えるように。しかしそれまでは防水機能が搭載されていないモデルでした。
多くのロレックスはオイスターケースを採用しているので、似たシルエットになっています。ビンの蓋を閉めるように、しっかりと閉じるスクリューバック式を採用しているモデルが多いのです。この方式では頑丈になりますが、その分ケースに厚みが生まれるもの。一方チェリーニはスナップバック式を採用しているため、薄型のすっきりとしたケースになり、デザイン性の優れた時計に仕上がります。
多くのロレックスの場合では、ステンレスのケースが採用されています。しかしチェリーニの場合には、金かプラチナを使用。ドレスウォッチであることから、実用性よりもエレガントさが重要視されています。
薄型でクラシカルなデザインが採用されており、フォーマルな場面で使うのにうってつけの時計です。
チェリーニはロレックスの正統派ドレスウォッチのため、革ベルトが中心。ステンレスやゴールドなどのブレスレットが採用されるモデルも多い中で革ベルトが中心となるのは、ドレスウォッチの特徴です。
ロレックスは、防水時計であることを売りにしているので、革ベルトを採用したモデルは多くありません。メタルバンドが使われることがほとんどです。ドレスウォッチであるチェリーニの場合には、革ベルトが採用されるため、使い続ける内に肌に馴染んでいく・疲れにくい・高級感が増すなど、他とは違う良さを持っています。
チェリーニタイムは基本的なモデルです。ホワイトゴールドのケースと光沢あるレザーのブレスレットが採用されています。シンプルなデザインのモデルで、フォーマルなドレスウォッチとして活用できるモデルです。
ホワイトダイヤルを採用しており、シンプルで見やすく伝統的な デザインですが、それと共にエレガントさを感じさせます。
チェリーニデイトの外見はタイムに似ていますが、3時の位置で日付を表示します。この日付は針で示します。チェリーニタイムと同様にアワーマーカーがダイヤルの内側に配置されていますが、より細かな線で区切られているのが特徴。ゴールドの色使いがラグジュアリーさを感じさせます。
現行モデルで使われているのは18CT エバーローズゴールド。独自開発され特許を取得したローズゴールドは、ドレスウォッチにふさわしい輝きを放ちます。
デザインは、チェリーニタイムがベースです。違いがあるのは、6時の位置にもう1つの時刻を刻むこと。2つのタイムゾーンの時刻を表示できます。
2つのタイムゾーンを表示しているといってもごちゃごちゃしているのではなく見やすいデザインです。同時に2つの地域の時刻を知りたい方にピッタリのモデルでしょう。
ドレスウォッチとして名高いチェリーニロレックスプリンスは長方形のケースが採用されています。現行モデルにはラインナップされていませんが、特徴的なケースが採用されているモデルです。長方形ダイヤルの中には時間や分、さらに秒を刻むインダイヤルが設置されています。
ケースはエバーローズゴールドの他にイエローやホワイトがありました。他のロレックスとはデザインが大きく異なっているので、従来のロレックスとは異なるデザインを探している方におすすめできるモデルです。
初代モデルは1928年から発売されており、長い歴史を持つロレックスの伝統モデルとなってきました。
初代モデルは1928年に登場。その名称はベンベヌト・チェリーニという、16世紀のイタリアルネッサンスの彫刻師に由来しています。この時点ではまだ自動巻き機能や防水ケースが登場していません。角型ケースに独立した秒針を持っているという異彩を放ったデザインを採用しました。
フラットで薄型マウントやレクタンレギュラー、スクエア窓など非防水だからこそできるデザインが特徴的。オイスターコレクションは基本的なスタイルを変えませんでしたが、チェリーニは流行を反映して作られたので些細なシェイプを持っています。
チェリーニの直接的先祖となったキングミラースは、1964年に1000本限定で販売されたと言われています。このモデルはギリシャ神話の伝説の王、ミダースの名を冠したものでしたが、オイスターほどの人気はなかったようです。
1990年代以降には従来モデルよりケースが厚くなりボリューム感のあるデザインになります。プラチナケースやアイスブルー文字盤などを採用したモデル、ツートンカラーのダイヤルなども採用されました。オイスターモデルほどの人気や派手さがありませんが、一般的にも支持されたモデルです。
2014年に現行モデルが登場。ホワイトゴールドや エバーローズゴールドの39mm径のケースが採用されます。伝統的な薄いケースや革のベルトが採用され、ラグジュアリーテストは変わることがありません。
現行モデルは3つのタイプが用意されています。チェリーニタイム、チェリーニムーンフェイズ、チェリーニデュアルタイムです。チェリーニムーンフェイズは2017年、ロレックスの時計として半世紀以上に復活したモデルです。122年正確性を保てる「ムーンフェイズ機構」は特許を取得しています。
現行のチェリーニもドレスタイプであることに変わりません。オイスターケースのモデルほどではありませんが、世界中のセレブから支持を集めているモデルです。
チェリーニを保管したり、使用したりするときのポイントを見ていきましょう。レザーベルトを採用しているので、とくに保管には注意が必要です。
革ベルトは汚れが侵入すると、落とすのが難しくなります。できる限り、汚れがついたならすぐに落とすことが大切です。使用後に乾いた布で拭く習慣を身に着けておくとよいでしょう。
汚れの付着は避けられませんが、定期的に布で拭いておくと汚れが付着することを予防でき、革の劣化を最小限にできます。
革の良い状態を保つには、こまめなメンテナンスが欠かせません。定期的にレザートリートメントクリームを塗ることで、汚れがつきにくく落としやすい状態になります。
夏は汗をよくかきますが、チェリーニを乾拭きをしてから時々レザートリートメントを塗ることで、汗や汚れを防止できます。毎日塗る必要はありませんが、レザーの油分が落ちてしまわないように少量のクリームを塗って乾燥を防ぎましょう。
装着している革ベルトが牛革なのか、またクロコダイルなどの爬虫類系の革なのかによってクリームの成分が異なりますので、専用のものを使用しましょう。
万が一濡らしてしまった時には陰干ししましょう。基本的には汗や水がつかないようにすることが革ベルトを長持ちさせる秘訣です。
しかし、使用することで汚れや水がついてしまうことは避けられません。もし汚れや水分がついたまま保管してしまうと変色したり、カビが生えてしまったりすることがあります。
それでも濡れてしまったなら、陰干しをすることで水分を飛ばしましょう。乾かすときには、紫外線に当ててしまうと劣化してしまうので、革ベルトは陰干しが必要です。またドライヤーで急激に乾燥させることは革によくありません。時間はかかりますが陰干しをするように心がけましょう。
保管するときには注意しましょう。日常的な保管では、日光の当たらない風通しのよい所で保管するのがベストです。革に癖がつかないように、ベルトを伸ばした状態にしておくとよいでしょう。
もししばらくの間使わないことが分かっているときには、湿気がない状態で保管するようにします。時計から革ベルトを外して、2日ほど乾燥させます。さらに、湿気を吸収してくれる布や紙などの袋を使い、防虫・防カビ剤も一緒に入れておきましょう。
保管するときも注意を怠らないようにしておき、1週間に1回程度は乾いた布で拭くようにしてください。
革のベルトを採用しているチェリーニの場合には、ベルトをきつく締めないことも大切です。
ベルトをきつく締めてしまうと皮が引っ張られてしまうので劣化を早めてしまいます。1穴緩めにベルトを締めるようにすると、ベルトの劣化を防げます。ベルトと腕の間に指1本入る程度ゆとりを持って締めましょう。
また時計を装着する時に、ベルトを曲げてきつく締めてしまう人もいるでしょう。この場合もベルトを必要以上に折り曲げてしまうので劣化を早めてしまいます。無理に引っ張らずに装着するようにしましょう。
自動巻きを採用しているロレックスの時計は、定期的にオーバーホールすることも長持ちさせる秘訣です。耐久性を誇るロレックスですが、動いているなら大丈夫というわけではなく、定期的にオーバーホールをすることが大切です。
一般的にはオイルやパッキンの寿命が4~5年とされています。劣化するものを定期的に交換することでトラブルを回避できます。
また、汚れやほこりが詰まっていると錆や腐食の原因になります。オーバーホールをすることで、付いてしまった汚れを除去しケースの腐食を防ぎます。
もちろん使用頻度や使い方によって、オーバーホールの最適な年数は異なります。それでもオイル切れや部品同士の摩擦によるダメージがあると、修理費が高くなるような重大な故障に繋がる可能性もあるでしょう。ロレックスを長持ちさせるためにも定期的なオーバーホールは必要です。
ロレックスの中でも、「ロレックスらしくない時計」と言われるチェリーニ。ドレスウォッチとしての位置付けで独特の存在感を放ちます。フォーマルなシーンに合っているチェリーニには他のモデルにはない魅力があります。革ベルトを使っているので保管する時には湿気に注意し、定期的にオーバーホールすることで良い状態を保ちましょう。
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ロレックスの種類ごとの魅力公式サイトに掲載されている費用目安をもとに、東京でより安いロレックスのオーバーホールが期待できる専門店を、主なモデル別にピックアップして比較しました。また、掲載各社は郵送依頼にも対応しています。※原則、純正部品を使用する店舗をピックアップしています。※税込・税抜については、各社にお問合せください。
オーバーホール 費用 |
専門店名 | |
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18,700円~ |
東京都台東区上野 5-25-1 イトウビル1F
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19,800円~ |
東京都中野区中野2-11-5 吉田ビル2階
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22,000円~ ※公式HPに税表記はありませんでした |
東京都墨田区緑4-11-3 デ・リード錦糸町501
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※東京にあるロレックスオーバーホール店で検索上位表示されるうち、公式サイトでオーバーホール費用および、純正部品を使用することを明らかにしている会社を厳選。モデルによって費用は変わりますので、詳しくは各店舗にお問合せください。(2021年3月22日時点)※税込・税抜については、各社にお問合せください。