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ミルガウスの魅力

ロレックスにはデイトナなどの特に有名どころの人気モデルがあるため、ミルガウスはあまり聞かれないモデルかもしれません。今回は、そんな変わり種モデルとしての立ち位置を持つ、ミルガウスの特徴と魅力をご紹介します。

ミルガウスの人気の理由

ミルガウスは定番モデルではありません。個性的なモデルとしての位置づけになっています。耐磁性に優れている時計です。他のモデルでも、耐磁性能はあるのですが、他のロレックスとは違うコンセプトから登場しています。

学者や医師向けモデル

一般的な腕時計よりも、さらに高い磁場にも耐えることができる腕時計として登場しています。普通であれば、50から100ガウスほどの磁場にのみ耐えることができますが、ミルガウスの場合には1000ガウスという高磁場でも正しく作動するのです。

学者や医師などで、磁力を受けやすい中でも作業する必要がある人向けに開発されたモデルと言えます。ですが、それゆえにターゲットの数が少なく、初代モデルは生産終了になってしまいました。

変わり種ロレックスとして希少

ターゲットが高磁場で作業をしている人という限られたものでしたので、希少価値があります。特に初代モデルと2代目モデルは、プレミア価格が付いているので、1500万円以上の値段で取引されることもあります。

ヴィンテージもの腕時計だけでなく、流通量が少ないゆえに幻のモデルになっているものもあります。復活発売されたもの以外は、稲妻型秒針を除いて、デザインも代わり映えがしないものが多いのでより変わり種感があるモデルです。

稲妻のような秒針

初代モデルには、稲妻の形をした秒針があります。海外では、サンダーボルトとも呼ばれており、シンプルなデザインですが、しっかりと主張のある秒針です。この稲妻型の秒針は、セカンドモデルになると無くなってしまいます。

その後、20年ぶりに復活した2007年からのモデルでは、稲妻型の秒針が復活。よりスタイリッシュになってトレードマークの秒針が復活しました。

ミルガウスの特徴

ミルガウスの特徴は、やはり耐磁性でしょう。学者や医者をターゲットにしているだけに、耐磁性の高さは他のモデルとは一線を画しています。

優れた耐磁性を持っている

ミルガウスは、耐磁性の高さが主な特徴です。磁気と聞いてもあまりイメージできないかもしれませんが、日用家電品では影響があるものはそれほどありません。例えば電話機などでは50ガウス程度ですし、大型のスピーカーでも100ガウスほどです。

磁気ネックレスや磁気付きのばんそうこうなどは、耐磁性の高いミルガウスでも危険なほどです。磁気付きのネックレスやばんそうこうをしたまま、ミルガウスをするのは止めておきましょう。

耐磁性の高さは、ミルガウスのケース構造が成せるものです。ロレックスのムーブメントは、磁気の影響は受けにくいものが使われています。しかしミルガウスはさらに耐磁性を高めています。

高性能磁気遮断システムが搭載されており、磁気シールドを備えているのです。シールドとして使われているのは強磁性合金で、磁気を引き受けて流す役割をしています。使われている素材は、磁気がなくなれば元の状態に戻る素材が採用されています。

ミルガウス特別のムーブメントを搭載

ロレックスは現行モデルでは、すべてに自社製のムーブメントが搭載されています。機能ごとにムーブメントが作られているのですが、異なるモデルでも同じムーブメントを使用する可能性もあります。

しかし、ミルガウスの場合には、専用のムーブメントを搭載しています。非耐磁性能のブルーパラクロムヒゲゼンマイと常磁性のニッケル・リン合金をアンクルとガンギ車に使ったことにあります。

アンクルとガンギ車は、磁気を帯びてしまうと時計の精度が狂ってしまうところですので、専用の合金素材が使われているのです。耐磁性能を高めるために、専用のムーブメントが採用されています。

ミルガウスの変遷

独特な誕生過程があり、市場でも希少となるモデルがあるミルガウス。これまでどのような流れで販売されてきたのでしょうか?

ミルガウスの誕生の理由

ミルガウスが誕生したのは、1956年のことです。サブマリーナやGMTマスターなどで、海や空などで活躍する腕時計を製造していましたが、高磁気のエリアでも確実に時を刻む腕時計として開発されました。

その名前の由来は、「ミル」というのがフランス語で1,000を意味しており、「ガウス」は磁束密度の単位です。1000ガウスの磁気にも耐えられるようにとの思いが込められているのでしょう。しかし、一部の学者たちには耐磁性能が良いことはメリットになっていましたが、一般の方にとっては、それほど大きな意味は持ちませんでした。

さらに1950年代などでは、磁気に対する知識も現在ほどもなく、磁気は機械に影響を与えないと思っている方が多かったことも影響しているでしょう。結局、耐磁時計としての魅力は一般的に浸透せずに1987年頃に販売が中止されてしまいます。

20年ぶりに復活

ミルガウス発売中止から20年後の2007年に、ミルガウスが復活します。2000年代になって耐磁性能について、注目されてきた背景があります。携帯電話や家電製品で磁気を発生するものが増えてきたことから、磁気から影響を受けない腕時計のニーズが増えてきたのでしょう。

耐磁性能がある腕時計のムーブメントとして、シリコン製のヒゲゼンマイが使われていました。磁気帯びしやすいパーツをシリコンにすることで、弱点を克服していたのです。しかしロレックスでは、シリコンではなく、パラクロムヒゲゼンマイを開発しました。

合金素材を使っており、耐磁性能があるムーブメントとなったのです。結局現在では、ほとんどのモデルでパラクロムヒゲゼンマイが使われています。このムーブメントが開発されてから、ミルガウスがついに復活したのです。

ミルガウスの歴史

ミルガウスの歴史を振り返ってみましょう。一時期発売が中止されたモデルは、どのような流れをたどってきたのでしょうか?

1956年 ミルガウス・ファーストモデル Ref.6541

ミルガウスの初代モデルです。耐磁性をキープするために、大きめのケースを採用。稲妻型の秒針がアクセントになっており、黒の文字盤にドットインデックスというスタイルが魅力のポイントです。

サンダーボルトと呼ばれているのが、初代モデルで回転ベゼルがあるのも特徴です。ミルガウスの初代モデルは、台数が少ないことから、取引価格も高額です。

1959年~1990年前後 Ref.1019

2代目モデルになると、ミルガウスの特徴でもあった稲妻型の秒針を廃止しています。デザイン新しくなっていますが、初代モデルよりもスタイリッシュでシンプルな印象を受けるモデルです。

セカンドモデルでは、回転ベゼルはなくなっており、ビジネスにも合う洗練されたデザインとなっています。ムーブメントには、精度が高まったCal.1580が搭載。約30年ほど製造されたモデルですので、文字盤仕様などが変更されています。

初期固体にはヘアライン仕上げの文字盤は、希少性が高いのであまり中古市場に出回っていません。その後、ターゲットを絞り過ぎたことや、ユーザーのニーズに合わなかったことが要因となり、1998年に生産が終了します。

ヘアライン仕様だけでなく、30年間の製造期間があっても製造本数が多くないので、希少価値があります。後ほど紹介する復活したサードモデルが復活したので、今後の相場の向上が期待できるでしょう。

2007年、サードモデルRef.116400

2007年に復活したのが、116400です。発売当初には、黒と白の文字盤となっていました。初代モデルで採用されていた、稲妻型の秒針が復活されています。2代目のスタイリッシュなベゼルと稲妻型の秒針が組み合わされており、初代と先代の特徴を受け継いでいます。

3代目では、秒針がオレンジ色になっていることも特徴です。初代モデルでも採用されていなかったカラーリングで、ミルガウスの新しい特徴ともなっています。ケースサイズが40㎜に大きくなっています。厚みがあるケースなので、存在感があるモデルです。

2015年に黒文字盤、そして2016年に白文字盤が生産終了しています。性能が高いムーブメントを搭載しているモデルとしても、おすすめのモデルです。

2007年~現在 Ref.116400GV

復活した際に、これまでのロレックスでは採用したことがない変わったモデルが発売されました。サファイアクリスタル風防をグリーンにしたモデル「116400GV」です。

一般的なロレックスの6時位置に、王冠のマークが入っていることが多いのですが、このモデルには入っていません。これも、116400GVを見分ける印のひとつです。さらにインデックスの夜光も異なっています。3時、6時、9時のインデックスにオレンジ夜光が採用されており、他の部分と色味が違っているのです。色使いが異なっているのも、シンプルな中にオシャレなデザインになっているポイントです。

ミルガウスの資産価値

ロレックスの相場全体をして、徐々に上昇している傾向が見られています。スポーツモデルで特にこの傾向がはっきりとしており、定価で購入することは難しい状態です。ミルガウス全体の相場としては、一部を除いて手に入れやすい価格帯で推移しています。

グリーンガラスが人気

ミルガウスはロレックスのラインナップの中でも変わり種ですが、その理由のひとつに個性的な文字盤という特徴が挙げられます。また、ミルガウスには、グリーンガラスのモデルがあり、通常のガラスが生産終了している経緯があります。需要の高さがグリーンガラスが通常ガラスを上回ったことから、グリーンガラスのみがラインナップに残ったようです。

希少価値が高いものは改造品に注意

ロレックスの場合には、一度でも改造品と呼ばれる純正パーツでないものに交換すると、正規店でのオーバーホールや修理が不可能です。改造品という定義は、文字盤やベゼル、針や風防などの1つの部品を交換したものでも含まれます。改造部品を使っていると、内部を確認された後に、修理不能として返却されてしまいます。内部を見ることができないので、希少価値のあるビンテージモデルなら、特に正規部品で構成されているのか注意が必要です。

また、自身所有しているミルガウスを修理・メンテナンスに出す際にも、安いからと言っても、正規店以外に修理を出す際にも注意をしましょう。部品を交換した際に、改造品としてみなされて、資産価値がなくなってしまう可能性もあります。

ミルガウスで注意する点

ミルガウスを所持しているなら、注意しておきたいポイントを見ていきましょう。ビンテージモデルの場合には、部品を入手するのが難しくなっていることもあります。定期的にオーバーホールして良い状態を保つことが資産価値やミルガウスを守るうえで大切なのです。

ムーブメントの故障に注意

ミルガウスの場合には、初期モデルになると1956年ですので、ムーブメントも古くなります。ビンテージモデルでは、故障した場合に部品を入手するのも一苦労です。もし純正部品がないならば、純正ではない部品を使うかもしれませんが、そうすると改造品とみなされて正規店でのオーバーホールや修理が不可能になります。

一度ムーブメントが故障してしまうと、価値を保ったまま修理することが難しくなるのです。パーツが入手できるのであれば問題ありませんが、古いモデルになると正規店でのオーバーホールも難しいものです。古いミルガウスであるほど、ムーブメントの故障には注意しておきましょう。

定期的なオーバーホール

「ロレックスは一生もの」と言われることがありますが、それは良いメンテナンスをしているからこそです。精度が落ちないためにも、定期的なオーバーホールが必要です。使用頻度によってオーバーホール時期は異なりますが、推奨されているのは3年から4年となっています。また、人によっては毎日、ロレックスを着けているわけではないかもしれません。その場合には、オーバーホールの間隔を長くとっても問題はないでしょう。

ロレックスオーナーの中には、定期的なオーバーホールをほとんどしていない方もいるかもしれませんし、故障してから修理に出せばよいと考えている方もいるでしょう。しかし、メンテナンスをしていないロレックスの場合、不調になった際、オーバーホールではなく故障の修理となる可能性が高くなってしまいます。

しかも、修理代も10万円を超えるような、高額になる可能性もあるのです。定期的にオーバーホールに出すことで、長期的な維持・メンテナンス費が安くなるだけでなく、ロレックスを良い状態を保ちながら所有できます。そのため、ミルガウスオーナーにも定期的なオーバーホールをおすすめします。

まとめ

ミルガウスは、ロレックスの中でも変わり種のモデルとして、希少価値があります。特に復活する前のモデルでは、市場に回っている数も少ないことからプレミア価格が付くこともあるでしょう。もしミルガウスを所有しているなら、もしくは所有することを考えているなら、良い状態を保つために定期的にオーバーホールすることをおすすめします。